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大戦開幕

「大聖杯」を拠り所として、魔術協会の支配からの脱却を目論むユグドミレニア一族――“黒”の陣営。
そして、ユグドミレニア一族を討伐し、大聖杯を奪還せんとする魔術協会の刺客――“赤”の陣営。
両陣営は古今無双の英雄を7騎ずつ召喚。雌雄を決すべく全面戦争に臨む。

伝説で謳われる騎士が、熾烈な鍔迫り合いを演じ
神話で語られる弓の使い手が、弓術の妙技を競い合う。
幻獣は空を蹴って舞い上がり、“戦車”は瓦礫を跳ね飛ばしながら疾走する。
複数のサーヴァントが正面からぶつかり合う戦いは、周囲の地形すら変えるほどにすさまじいものとなる。
また、戦場に投入されるのはサーヴァントだけではない。
各陣営は魔術によって生み出した魔法生物やホムンクルスの兵隊、ゴーレムの巨兵を多数動員。
サーヴァントの質だけでなく、物量でも相手を凌駕しようと、ありったけの戦力を注ぎ込もうとしている。

“神秘の秘匿”など気にかけず、敵陣営を打ち負かすまで、死と破壊を存分にぶちまける。
それは、もはや「聖杯戦争」などという小さな枠組みに収まるものではない。
文字通りの“大戦”――「聖杯大戦」とでも呼ぶべき、壮絶かつ混沌としたものだ。

「聖杯」にかける悲願や野望を胸に、戦場へと赴くつわものたち。
彼らの運命を決する戦いの火蓋が、いま切って落とされる。

黒の陣営/赤の陣営

冬木市で執り行われた「第三次聖杯戦争」の最中、とある魔術師によって儀式の根幹となる
「大聖杯」が奪い去られてしまった。

それから数十年の時を経て、魔術師の名門ユグドミレニア一族の長である
ダーニック・プレストーン・ユグドミレニアは、「大聖杯」の所有及び、魔術協会からの離反と独立を
宣言する。そしてダーニックや配下の魔術師たちは、それぞれ超常の力を秘めたサーヴァントを召喚。
ルーマニア・トゥリファスに拠点を置き、地の利を最大限に生かした“黒”の陣営は、魔術協会でも迂闊には手出しできない勢力となった。

これを危険視し、何としてでも大聖杯を奪還したい魔術協会は、ユグドミレニア一族の討伐を決意。
対魔術師戦に特化した魔術師を選り抜き、七騎のサーヴァントを召喚させた。
“黒”の陣営に対抗する“赤”の陣営のサーヴァントは、どれをとっても一騎当千の英雄であり、決して“黒”の陣営に引けを取るものではない。
かくして、未曾有の規模で繰り広げられる「聖杯大戦」の舞台に上がる役者は揃い、開幕の時を待つ。

だが、それまでの常識を覆すほどイレギュラーな形式で行われる催しには、予期せぬトラブルが
ついて回るもの。名誉、野心、裏切り、救済、それぞれの思いと願いを抱いた者たちの戦いは、
複雑に絡み合い、やがて混沌とした様相を呈していくことになる。

ルーラー

セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、バーサーカー、そしてアサシン。
七騎のサーヴァントが万能の願望機である「聖杯」をかけて、
最後の一騎になるまで殺し合うサバイバルバトル。それが「聖杯戦争」と呼ばれる儀式の大枠である。
だが、「大聖杯」を強奪したユグドミレニア一族“黒”の陣営と、それを奪還せんとする魔術協会“赤”の
陣営の間で勃発した争いでは、それぞれの陣営が七騎ずつ、合計十四騎ものサーヴァントを召喚。
「聖杯戦争」史上でも類を見ない規模の「聖杯大戦」へと発展する――。

このような状況下では、戦いの中でいかなる異常事態が発生するか、
そしてどんな結果がもたらされるのか、まったく予測できない。
そこで、「聖杯戦争」を滞りなく進行させるため、「大聖杯」が自らの意思で召喚したのが、八番目の
エクストラクラス「ルーラー」である。
「聖杯大戦」の“裁定者”としての役割を与えられたルーラーは、“赤”と“黒”どちらの陣営にも属さない、
中立な存在である。
また、強力なサーヴァントたちを統制するための令呪を所有し、さらに一目見ただけでサーヴァントの
真名を看破するなど、特別なスキルが複数与えられている。
その力を持ってすれば、いかなるサーヴァントが相手でも互角以上に渡り合うことができるだろう。

今回、ルーラーとして召喚されるのはある少女の英霊。
総勢十四騎の英霊が激突する未曾有の闘争において、彼女は無関係な人々に被害が及ばないよう、
戦場へと赴いていく。