お前は、何の為に剣を抜く

ジークフリートSaber of "Black"

CV 諏訪部順一

ユグドミレニア一族の魔術師ゴルドと契約した「剣士」の英霊。
聖剣を携えた威風堂々たる騎士。

ジークフリートSaber of "Black"

ドイツの英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』に謳われる、万夫不当の大英雄・ジークフリート。生前、彼は聖剣バルムンクと姿隠しの外套を用いて、邪竜ファヴニールをたった一人で打ち倒した。その際、ファヴニールの体内に流れる竜血を全身に浴び、またその雫を飲んだため、彼の肉体はいかなる武器も受け付けなくなった。

それ以降、ジークフリートは戦場においても無敵を誇り、数々の武功を打ち立てたが、不死身の存在になったわけではなかった。竜血を浴びた際に菩提樹の葉が1枚だけ背中に張り付いており、その一点にだけ血を浴びることができなかったのだ。また、背中はファヴニールの呪いによって、盾や鎧で隠すこともできなかった。それでも、彼は唯一の弱点を晒すことに躊躇せず、戦場に立ち続けた。

だが、それはジークフリート自身が富や名誉を望んでのことではない。「この英雄ならなんでも叶えてくれる」と考える人々の願いを、淡々と聞き届けてきただけに過ぎない。いわば、彼は「生きる願望機」だった。

そんな彼は「聖杯大戦」において、名も知れぬホムンクルスの少年に己の心臓を与えて消滅した。だが、それは誰かに望まれたからそうしたわけではない。「誰かを己の意思で救いたい」という、自分自身の願望に従っただけなのだ。人のために生き、己の正義に殉じたジークフリート。彼こそ「大英雄」の名に恥じない騎士と言えよう。